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十五少年漂流記 子どもたちの活躍が楽しい

2006/07/31 19:58
十五少年漂流記
 感想☆☆☆☆ ジュール・ベルヌ 新潮社
 今年読んでみたいテーマの1つが漂流なんですが、
 その古典的なこの本をようやく読みました。
 いわずと知れた名作「十五少年漂流記」ですが、
 小学生向けダイジェストなどではなくて、
 全体のきちんとした訳では初めて読みました。
 少年の心理や、漂流のきっかけなど、
 丁寧に計算された本と気づきました。
 定評のある訳、波多野完治さんで読みましたが、
 もう図書館の本なんですね。
 アマゾンでは角川の本が人気のようでした。
 
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 ★2年間の夏休み
 十五少年漂流記ネタバレも何もないほど有名な本ですが、
 とりあえず内容を紹介すると、
 ニュージーランドにある私立小学校、の少年15人は
 帆船で旅行することになるが、
 夜のうちに船をつないでいた綱がほどけて
 子供たちだけで外海に流されてしまいます。
 ようやくたどり着いたのは無人島でした…
 という流れです。
 イギリスの少年というのは覚えていましたが、
 ニュージーランドに住んでいる子どもなんです。
 当時は世界の大英帝国の時代ですものね。
 舞台が太平洋なのはこういう理由ですね。
 また「2年間の休暇」とか「2年間の夏休み」
 という題でも知られますが、
 それも、少年たちの漂流が2年だから。
 読んでみると、
 南の島での暮らしなんですが、
 南過ぎて、実は過酷な冬を経験します。
 2年という長さも納得の題です。

 ★「蝿の王」と比べると
 イギリス、フランス、アメリカと
 複数の国の子どもたちがともに暮らすので、
 蝿の王リーダー的な存在の子どもは複数いまして
 それぞれのグループができています。
 で、グループの対立などがあるんですが、
 20世紀の日本人では乗り越えられないような
 さまざまな課題も協力してクリアしていきます。
 ほっとして読める展開は、非常にいいですね。
 で、この「十五少年漂流記」の20世紀版ともいえる
 ゴールディング「蝿の王」となると、
 同じような展開ながら、
 すごいことになっていってしまいます。
 原作がかなり具体的だからこそ、
 「蝿の王」という優れたパロディが
 誕生したんだなあ、と思いました。

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ミーナの行進 こころ安らぐ芦屋暮らし

2006/07/30 15:11
ミーナの行進
 感想☆☆☆ 小川洋子 中央公論新社
 独特の世界をつくる小川洋子さんらしい話でした。
 美しくも、喘息をわずらうクオーターの美少女、ミーナと
 芦屋の豪邸ですごした日々を舞台にしています。
 現在、小川さんが住んでいる芦屋が舞台、
 ということですが、贅沢な暮らしを描きつつも、
 どこかホロリとくる小川さんらしい部分は
 健在でした。

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 ★個性的な人たちばかり
 ミーナの行進ネタバレしない程度に内容を紹介すると、
 1972年の春、
 芦屋のおばの家で住むことになった私、朋子。
 ハンサムな叔父やしっかりもののお手伝いの米田さん
 そして、喘息もちの美少女、ミーナ。
 ミーナはコビトカバのポチ子に乗って、
 学校に通っていったりしています。
 ミュンヘンオリンピックや
 ジャコビニ流星雨など
 さまざまな出来事を2人は体験しますが…
 という感じです。
 カバとマッチ、という小道具も上手に使われてました。

 ★ほのぼのとした感じがいい
 装丁のほか、たくさん入っているイラストは
 寺田順三さんで、
 ほのぼのした感じを増してくれます。
 ミュンヘン・オリンピックなど、
 同時代の人にはもっと楽しめる話題でしょうし、
 大人の絵本のような小説でした。

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美しい国へ 総裁選の政策論争はここから?

2006/07/29 13:25
美しい国へ
 感想☆☆☆ 安倍 晋三 文芸春秋
 自民党総裁選で注目される安倍晋三官房長官。
 9月1日に立候補表明するようですが、
 この人が今月出した新刊が
 この新書「美しい国へ」です。
 総裁選に向けて、政治家が本を出すのは
 昔から時々ありますが、ハードカバーではなく
 新書、というのはちょっと珍しいかも。
 総裁選向けの政策提言まではいきませんが、
 安倍さんの政策やこれまでの経験が
 読みやすくまとめられていて、
 親しみやすさを感じさせるつくりです。

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 ★外交が多い
 美しい国へ簡単に内容を紹介すると、
 安倍さんの自身の体験を紹介した「わたしの原点
 さらに、米国、中国など外交問題を扱った部分、
 続いて社会保障問題としての「少子国家の未来
 そして「教育の再生」と続きます。
 「わたしの原点」は祖父、岸首相や父親の安倍外相との
 体験などが紹介されていますが、
 ここで「開かれた保守主義」と
 自分を位置づけています。
 そして、外交問題としての米国、中国、
 あるいは豪州、印度との関係にも触れています。
 このあたりは体験を交えていて、
 政治家・安倍晋三の姿勢が分かります。

 ★内政は不十分では??
 続いて、内政面の展開なんですが、
 ここは年金、社会保障、教育、と
 かなりあっさりしています。
 「安全保障と社会保障
 を政治家としての課題としていますが、
 それにしてはちょっともの足りない感じ。
 例えば、「格差の再生産」に対しては批判的ですが、
 説得力のある具体策がかけています。
 政治家一家の出身である安倍さんこそ
 「格差の再生産」の恩恵に
 日本で一番めぐまれた人ではないか、
 ワーキングプアーをどこまで
 実感しているのかな、
 と誰でも気づくような穴もあります。
 親しみやすいのは分かりますが、
 今後の政策論争はもっと深いところで
 展開されることを願います。

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12歳で100万円ためました!  韓国の子どもが体験したこと

2006/07/28 18:09
12歳で100万円ためました!−本当のお金持ちになった女の子のお話−
 感想☆☆☆ キム・ソンヒ 桑畑優香訳
       はまのゆか画       インフォバーン
 今年のもう1つの読書テーマ、
 お小遣いまたは金銭教育の本です。
 韓国で、実際にあった話を元にした童話のようでして、
 小学4年生くらいならば、
 十分、自分でも読めるような内容です。
 大人向けの金銭教育の本はたくさんありますが、
 子どもも読める本は珍しいと思います。
 ふりがなもしっかりついているので
 児童小説のように読むことができます。

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 ★赤いウサギ
 12歳で100万円ためました!―本当のお金持ちになった女の子のお話ネタバレしない程度に簡単に内容を紹介すると、
 韓国の幼稚園の女の子、エダミは
 ある日、赤いウサギを拾います。
 実は、このウサギは貯金箱で、
 いままでに色々な人との出会いと
 別れを繰り返していました…
 というところから、
 徐々にお金にまつわる色々な経験を
 していきます。
 お手伝いから始まって、お金の貸し借り
 フリーマーケット、ついにはネットショップまで。
 なかなかすごい展開ですが、
 お金にまつわるトラブルときちんと出てきています。

 ★子ども自身が体験できるような
 主人公の女の子の視点からの本なので、
 読んでいると、女の子の体験がよく分かるよう書き方。
 小学生が1人でするには難しいようなことも、
 この本を読むと、擬似体験できるような構成で、
 お金の貸し借りなど、子どもたちが出会いそうな問題は
 幅広くそろっていて、けっこういい感じでした。
 「きれいなお金を好きにならなくてはいけません
 というアドバイスもしっかりしていて、
 読書感想文には向かないかもしれませんが、
 夏休みにオススメの本という気がしました。

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靖国問題 幅広い分析です

2006/07/27 22:16
靖国問題
 感想☆☆☆☆☆ 高橋哲哉 筑摩書房
 夏、正確に言うと8月15日に
 小泉総理大臣になってから、
 ここ数年騒ぎになり続けている「靖国問題」。
 自民党総裁選、つまり総理を選ぶこの夏は
 もっと騒がれることでしょうね。
 谷垣さんも靖国の話をしていましたし。
 昨年のベストセラーを遅ればせながら
 読んでみましたが、これはオススメ。
 いわゆる「靖国問題」の問題点が
 実によくまとまっています。
 新聞記事をいくつも読むよりも、
 この本1冊をオススメします。

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 ★いくつもの問題がある
 靖国問題「靖国問題」のとらえ方の特徴として、
 「感情」「歴史認識」「宗教」「文化」「国立追悼施設」
 の5つに分けたことがあります。
 要点だけをまとめてしまえば、
 「感情」では
 「戦死の悲しみを喜びに、
 不幸を幸福に逆転させる「感情の錬金術」
」。
 「歴史認識」では、
 A級戦犯合祀問題はその一部に過ぎなくて、
 「日本近代を貫く植民地主義全体との関係が問われるべきだ」と。
 「宗教」では
 「靖国神社を「非宗教化」することは不可能であること
 「文化」と「国立追悼施設」では
 靖国神社が、死者を弔う日本独自の文化のようにいっても、
 「「文化」を超えた国家の政治的遺志」に靖国神社が基づくこと。
 となり、結局は「施設を利用する政治」が問題であることを
 端的に示しています。
 具体的な部分も多くて、参考になりました。

 ★A級戦犯問題は
 一つの見識だなあ、と思ったのは、
 A級問題合祀問題に距離を置いている点です。
 「A級戦犯に主要な戦争責任を集中させ、 
 彼らをスケープゴートにする

 ことで戦争責任が不問になってしまうのではないか、と。
 天皇ばかりでなく、
 戦争を止められなかった政治家、メディア、
 そして、黙ってしまった国民の責任を
 A級戦犯に押し付けてしまって
 忘れてしまうのが本当にいいのかどうか。
 平和を考える場合には、大切な視点のような気がしました。 

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かしこい子どもを育てるおこづかいトレーニング 年齢×400だ

2006/07/26 21:36
かしこい子どもを育てるおこづかいトレーニング
 感想☆☆☆☆ 岩下桂子 学研
 夏休みになって、おこづかいが足りない、
 という子ども向けの本。
 子どもに必要なお金は
 全部子どもに任せる、という
 大胆な方法を紹介していますが、
 これはけっこう効果があるかもしれません。

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 ★お小遣いの基準は?
 かしこい子どもを育てるおこづかいトレーニング―お金のやりくりで生きる力が身につく簡単に内容を紹介すると、
 まず大切なのは、お小遣いの基準です。
 これは 「年齢×400円
 と、けっこう太っ腹です。
 ヨーロッパやアメリカでは月ではなく、
 週ごとに与えるのが基準だとか。
 で、アメリカでは週1ドルが多いので、
 円に換算すると、月400円、となるそう。
 円換算の誤差と
 週単位が月単位になる部分で、
 実際はちょっと値切られてますね。
 ちなみに、同じ計算でお父さんのおこづかいは
 40歳で1万6000円。
 かなりきついです。

 ★決算書が大切
 それでも、子どもにしてはかなりの額のよう。
 でも、服とか消耗品の文具、
 さらに映画やおもちゃなどは全部、子ども。
 突然、くる習字セットとか裁縫セットなど
 学校で必要なものの半額は親が出すそうですが、
 やっぱり大変みたいな感じです。
 でも、いちばんの特徴は、
 「決算書」を出させること。
 ここで、お金の感覚が鍛えられるのですね。
 起業家としてのセンスを磨くことに
 つなげる工夫ができれば、
 企業家教育につながりそうだと思いました。

 追記(2006/8/29)
 著者の岩下さんからコメントをいただいて、
 「子どもをニート・フリーターにしないために
 というブログを教えていただきました。
 この本以上のアイデアもありますので、
 どうぞご覧下さい。 

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オリーブの海 12歳の夏の思い出を課題図書に

2006/07/25 20:54
オリーブの海
 感想☆☆☆ ケヴィン・ヘンクス 白水社
 今年の読書感想文コンクールの
 高校生の課題図書がこの「オリーブの海」。
 最近、突然読み始めた課題図書シリーズ?
 の1冊ですが、さすがに高校生になると
 大人が読んでも、まったく違和感ありません。
 若者らしい、みずみずしい外国小説を
 数多く紹介している白水社らしい本です。
 
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 ★12歳の少女の夏は
 オリーブの海ネタバレしない程度に紹介すると、
 主人公はアメリカの女の子、マーサ・ボイル。
 オリーブ・バーストウというクラスメートだけど、
 (タイトルのオリーブは、
 この女の子の名前でしょうね)
 口も利かなかった子が
 交通事故で死んでしまいます。
 12歳の夏休みを
 おばあちゃんのゴッピーの家ですごしますが、
 家族や近くの男の子といろいろあって…
 という展開です。
 一言で言ってしまえば、
 「12歳の少女の一夏の体験」ですが、
 いろいろ事件を取り入れて、盛り上げています。
 
 ★祖母との会話
 12歳の女の子の話がなぜ高校生の課題図書なのか?
 過ぎた年月を振り返るには、あまりに早い気がしますが、
 児童小説としては、1つ1つの章も短めで
 すいすい読めてしまうのではないでしょうか?
 おばあさんのゴッピーとの対話が
 とてもいい感じで、
 祖母と孫のこんな関係もいいなあ、
 としみじみ思いました。
 また、装丁もほのぼのとしつつも、
 ストーリーをうまく取り込んだデザインで、
 楽しませてくれます。
 読み終わってから、装丁を見ると、
 なるほど、って思うつくりですよ。

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〈旭山動物園〉革命 日本一の動物園になったわけ

2006/07/24 18:06
〈旭山動物園〉革命
 感想☆☆☆ 小菅正夫 角川書店
 入園者数で上野動物園を抜いた
 北海道旭川市の旭山動物園。
 廃園も危ぶまれた時代から
 どうやって今の人気を得たのか。
 動物園というビジネスを題材にして
 「夢を実現した復活プロジェクト」という副題のとおり、
 園長自身によるプロジェクトの記録です。
 プロジェクトXが好きな人向けの本です。

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 ★動物園の基本に帰る
 「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト簡単に内容を紹介すると、
 見事にビジネスの話でして、
 旭山動物園のガイド的な紹介はほとんどありません。
 エキノコックスという伝染病感染で、
 来園者が激減する状況を乗り越えて、
 動物たちの生々しい暮らしを見てもらう「行動展示」や
 複数の動物が一緒に暮らす「混合飼育」などで
 動物の魅力が伝わるようにします。
 動物らしさが伝わる場を作ることに
 徹していたわけで、
 「野生動物と向き合い、
  園長として動物園のスタッフをみていて思うのは、
  動物も人間も、「自分らしさ」を発揮できる環境は
  なにものにも替え難い

 というコメントが効いています。
 
 ★実は人間が…
 旭山動物園といえば、
 アザラシが筒型の水槽を上り下りするのが
 一番、楽しみ、という人が多いと思います。
 この「マリンウェイ」という仕組みは
 アザラシの好奇心旺盛な性格を利用したとか。
 「アザラシにとっての「猫じゃらし」を
  人間がしているわけだ

 とあって、アザラシは水槽の周りの人間を
 見に何度も通っているそうです。
 周りの客が多い時は多く通るそうで、
 よくできた仕組みだなあ、と本当に思います。

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理解する技術 情報の本質が分かる プレゼンが大人の勉強の場だ

2006/07/23 11:48
理解する技術
 感想☆☆☆ 藤沢晃治 PHP
「理解する技術」というタイトルどおり、
 書類や本などの情報をどう効率的に理解するか、
 という内容です。
 「「分かりやすい表現」の技術」など
 表現する側からの本が多かった著者ですが、
 今回は、受け取る側、読者の立場からの本です。
 分かりやすさを紹介する本だけに、
 すごく簡単に読めてしまう本で、
 急がしい人にはオススメです。

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 ★発信者の不備を補うには
 理解する技術 情報の本質が分かる理解しにくいのは
 発信者側、つまり書類とか本に
 欠けている部分があるから。
 (ブログの書き方もそうかもしれませんが)
 欠けを補う技術を教えているような展開です。
 「わかりにくい文章から意味を読み取るには
 「文章から情報を読み取る基本テクニック
 「情報を手っ取り早くつかむテクニック
 「図表をつくりながら読むテクニック
 と各章で具体的に紹介しています。

 ★アウトプットが大切
 昔から言われていることですが、
 「他人に教えることを前提に勉強をすると、
 勉強の理解が進み、記憶も高まります

 と指摘しています。
 頭の中で他人と想定問答をしているようになり、
 効率的に進むようになるそうです。
 ビジネスマンには、「プレゼンテーション」を前提に
 勉強していると、効率的とか。
 質問もあるし、機嫌もあるプレゼンは
 いわば、大人の授業であり、テストでもあるんですね。

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プリンシプルのない日本 戦後日本の混迷を叱る

2006/07/22 17:02
プリンシプルのない日本
 感想☆☆☆ 白洲次郎 新潮社
 白洲次郎自身のエッセー集と座談会。
 「白洲次郎 占領を背負った男」を先日読みましたが、
 今度は、本人自身のエッセー。
 「プリンシプルのない日本」は
 その中でもかなり長めで、
 日本人に必要なものはプレンシプル
 「原則とでもいうのか」ときちんと訳していませんが、
 行動の指針の必要性を主張しています。

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 ★戦後の日本についてあれこれ
 プリンシプルのない日本吉田内閣の側近として、
 サンフランシスコ条約での話があるほか、
 東北電力会長としての経験など書いています。
 ちょっと傲慢なところがある人ですが、
 当時の政治に対する悪口というか、
 率直な批判はなかなか楽しめますし、
 天皇や憲法に対しても
 しっかりした距離感があります。
 昭和天皇が戦犯の合祀を機会に
 靖国神社参拝をやめた、というようなメモが
 最近、報道されました。
 テレビや新聞のコメントの中には
 「天皇が参拝していないのに、
 大臣が参拝するなんて」
 という身分制度容認のような発言もあって、
 今の政治評論家の軽さといい加減さが
 悲しいくらいに分かってしまいました。
 (まるで聖徳太子の時代の発言、と思いましたが、
 当時は天皇という言葉はありませんでしたね)

 ★憲法へのスタンスも
 日本国憲法に対しても
 自ら制定に関わった白洲だけに
 「そのプリンシプルは実に立派である
 と評価は高いんです。
 「戦争放棄の条項などその圧巻である
 と絶賛しています。
 「押しつけられようが、そうでなかろうが、
 いいものはいいと率直に受け入れるべきではないだろうか

 ともいっています。
 制定の手続きよりも中身を評価した、ということでしょうか。

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セロトニン生活のすすめ お日さまセラピー 昔の暮らしがいいのかも

2006/07/21 18:41
セロトニン生活のすすめ−その知られざる威力と形状−
 感想☆☆☆ 有田秀穂 青春出版社
 脳内物質の本がだいぶ気軽に読めるようになりました。
 以前は、脳の本は専門書ばかりで、
 探すのに苦労したものですが、
 とっても簡単に読める本がいろいろ出てきました。
 この本は、うつ病の発症に関係する脳内物質、
 セロトニンを中心に解説しています。

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 ★ライフ・オーガナイザー
 お日さまセラピー セロトニン生活のすすめ簡単に内容を紹介すると、
 欲望や快楽に関係するドーパミンや
 不安やストレスに関係するノルアドレナインに対して、
 セロトニンはこの2つを抑えるそうです。
 つまり、平常心はセロトニンのおかげ。
 幸福感とか、身近な満足などには
 大きく影響する物質だそうです。
 しかし、このセロトニンがなかなかでないのが
 現代人の生活なんですね。
 「お日さま不足タイプ」
 「原料不足タイプ」
 「運動不足タイプ」

 と3つの原因から分析しています。

 ★ハーブが気持ちいいのは
 まとめてしまえば、お日さまにあたって、
 適度な運動と食事をする、という
 昔からの普通の生活をしていれば、
 セロトニンは出てくるものなんです。
 でも、なかなかそういう暮らしもできないから、
 対策として呼吸法とかいろいろ紹介しています。
 ちょっと楽しそうなのは、「カンファー」という成分。
 アロマテラピーのエッセンシャルオイルに入ってますが、
 「ローズマリー、ユーカリ、スパイクラベンダー
 などのハーブの成分で、すっきりした気分になります。
 実はこのカンファー、
 「セロトニン神経と似た働きをする」とか。
 気分を落ち着かせたい時には便利そうです。

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モノとわかれる!生き方の整理整頓  片付けながら、人生を考える

2006/07/20 19:57
モノとわかれる!生き方の整理整頓
 感想☆☆☆ 大塚敦子 岩波書店
 似たようなタイトルがたくさんある
 お片づけ本?一つかと思ったら、ちょっと違います。
 あの「岩波書店」が出すだけあって、
 もうちょっと大きな、
 人生のお荷物どうします?という感じもある本。
 すぐ片付けなきゃ、という人には全く不向きで、
 片付けのノウハウを求める人は読まないほうがいいです。
 むしろ、片付け本はいろいろ読んできたけれど、
 どうにも片づかなくて、
 技術じゃなくて、ココロとか生き方の問題かも、
 と感じ始めた人にはぐっとくる部分があるかも。
 (断定できないのか、エッセーぽい感じの本のため
 合う合わないの差が激しそうです)
 フォトジャーナリストの著者が、
 アメリカでの体験を元に紹介しています。

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 ★生活オーガナイザー
 モノとわかれる! 生き方の整理整頓一番、気になったのは
 「生活オーガナイザー」という職業。
 日本にも「収納アドバイザー」
 (近藤典子さんとかですね)
 という肩書きは最近あります。
 でも、ちょっと違う、とか。
 半年、時には一年条もかけて、
 「ものを片づけるだけではなく、
 その人がどんな生き方をしたいのかを
 見いだす手助けまでする」
 というのです。

 ★資格などはないようですが
 読みつづけていくと、だいたいの流れも紹介しています。
 インタビューに基づいて、目標を決め、
 「自分が何をどれだけ持っているのか把握する
 「何を置いておきたいか、選ぶ
 「置いておくものを、使いやすく整頓する」などなど
 これを一緒にしながら、
 ふと人生のお荷物に気づくわけですね。
 日本の収納アドバイザーは一日でパパッと片付けてしまう。
 (テレビの演出もあるんでしょうけれど)
 でも、アメリカではゆっくり片付けながら、
 人生も整理整頓、という訳。
  ニートといわれる人たちに求められそうな仕事
 そんな思いがしました。
 もう少しすると、日本にも表れそうな気がします。

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図解「武器」の日本史−その知られざる威力と形状−

2006/07/19 21:13
図解「武器」の日本史−その知られざる威力と形状−
 感想☆☆☆ 戸部民夫 ベストセラーズ
 歴史小説などを読んでいて、
 時々出てくる武器が分からない。
 そんなときに便利な新書がこれ。
 あまり期待しないで読み始めたのですが、
 種類も豊富で、イラストも丁寧なので、
 けっこう役立ちそうです。
 新書なので、ササッと読み飛ばせますが、
 手元に置いて、辞書代わりにも使えそうです。
 
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 ★意外にあった武器
 図解「武器」の日本史―その知られざる威力と形状「武器」の日本史、というタイトルですが、
 防具である鎧なども入っています。
 幅広い意味で、戦闘に使われるようなものを
 まとめている新書です。
 紹介しているのは、武士の魂、日本刀から
 (日本刀もまたいろいろな種類を紹介していますが)
 鉄砲、槍、十手など江戸時代ごろまでに使われた
 さまざまな武器がまとまっています。
 忍者や捕り物の道具まで色々な武器があって、
 意外と日本の武器もたくさんあったんだ、
 というのが率直な感想です。

 ★鉾から槍に
 大昔は使われていて、
 中世以降に急に使われなくなった武器の1つ鉾。
 槍に変わられたのが大きな理由なんですが、
 さらに、その理由をこう説明しています。
 「鉾は楯を構え片手で操作する武器であったが、
 武家時代に発達した防御性の高い鎧兜は両手を自由にし、
 より刺突の攻撃力が高い槍を発達させたのである
」とか。
 鎧のおかげで楯がなくなったことが原因で、
 攻防というのは常に一体になっているんですね。


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男のガーデニング入門 ビジネスマンには蘭を薦めます

2006/07/18 18:42
男のガーデニング入門
 感想☆☆☆ 柳生真吾 角川書店
 「趣味の園芸」でキャスターをしている柳生さんの新書。
 父親が俳優の柳生博さんとは知りませんでした。
 分かってから見ると、確かに似ていました。
 でも、内容はあくまで園芸と
 趣味の園芸の裏話です。
 
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 ★園芸、植物、半生記
 男のガーデニング入門簡単に内容を紹介すると、
 第1章の「男ならではのガーデニングの楽しみ方」では
 「メインは実は“眺める”こと」とか意外な楽しみ方を紹介。
 第2章「思わず人に話したくなる植物のこんな話」では
 植物別に特徴を紹介。
 第3章は「僕の園芸ライフ、八ヶ岳ライフ」で
 八ヶ岳の暮らしを紹介しています。
 ここは柳生さんの半生記という感じで、
 趣味の園芸の裏話はここが中心です。

 ★ランがオススメの訳
 男性向きの植物だとオススメしているのがラン。
 「手入れをする時間帯を選ばないし、
 マニュアル通りに育てれば必ずきれいな花を咲かせてくれる

 というところが魅力だとか。
 マニュアルもしっかりしているそうですし、
 夜の手入れでも十分というのは男性向けですね。
 とても丈夫な植物なので、
 出張で水があげられないような過酷な条件でも
 「仮に水を一週間やらなくても枯れません」とか。
 種類も多いし、手を入れればいれるだけ答えてくれる、
 というのが魅力なんですね。
 ちなみにバラも手入れに答えてくれるそうですが、
 「毎日昼間に屋外で手入れをしなければいけない
 から、ビジネスマンには難しくなってしまうんです。

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企画書は1行 大ヒットもブランドも1行の企画に

2006/07/17 10:31
企画書は1行
 感想☆☆☆☆ 野地秩嘉 光文社
 さまざまな新規事業や
 事業改善などに欠かせないのが企画書。
 では、大ヒット商品とか成功した企画、
 或いは成功した組織などを動かした企画として
 企画を書いた18人が紹介されています。
 「企画書は1行」というタイトルですが、
 1行だけの企画書では当然なくて、
 (一行の企画書がとおる会社や融資もないでしょうし)
 企画書で訴える力は、たった1行がもとだ、ということです。
 
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 ★いろんなパターンの企画書が
 企画書は1行簡単に内容を紹介すると、
 キリンビールの氷結、
 シャープのヘルシオなどのヒット商品から
 JFAの川渕三郎キャプテン、
 桑野和泉・湯布院・玉の湯社長といった
 改革を続けている組織のトップ、
 あるいは、松本大マネックス証券社長ら起業家、
 小菅正夫・旭山動物園長といった18人のインタビュー。
 こんな思いで企画を書いた、とか、
 その当時はこういう状況だった、とかの前提が
 しっかり出ているので、今後の企画の発想に役立ちそうです。

 ★大切な1行とは
 詳細はネタバレになるので省きますが、
 企画書を書く大切な部分は
 「まず頭のなかにしっかりと映像を結ぶことだ
 に尽きるようです。
 まずどうしたいのか、ということをはっきり持っているか。
 そして、ここができれば、その映像を言葉にするので、
 言葉が、つまり企画書がずっと続く、という考えです。
 これは最近はやりの人生決定風手帳と同じような考え。
 未来の映像を思いつくことが
 本当の企画なのかもしれません。

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4本のヘミングウェイ 万年筆を楽しむコツ

2006/07/16 17:14
4本のヘミングウェイ
 感想☆☆☆ 古山浩一 グリーンアロー
 文房具マニア、中でも万年筆マニアは多いですが、
 その人たちのためのような本です。
 モンブランやパーカー、ペリカンといった老舗から
 アウロラ、ラミーなどデザインの優れたものまで
 海外ブランドの万年筆が最近は人気ですが、
 この本では、日本の万年筆の話です。
 プラチナ、パイロット、セーラーという
 国内の大手メーカーで万年筆製作に関わっていた
 職人や愛好家ら16人のインタビューがまとめて
 紹介されています。
 
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 ★へミングウェイとは
 4本のヘミングウェイ―実録・万年筆物語タイトルの「ヘミングウェイ」は
 92年にモンブランから発売された限定万年筆のこと。
 名作万年筆から万年筆製作の裏話まで、
 万年筆をすべて紹介しているような展開です。
 特に、万年筆製作者がいろいろでてきて、
 ペン先の話とか、インキの話とか、
 いろいろしていて、万年筆のしくみも
 読みながらいつの間にか、分かってきます。
 また、万年筆のイラストが万年筆で書いてあって
 これもなかなか味があります。

 ★なぜ金のペン先だったのか
 Pelikan スーベレーン 万年筆 緑縞 M800万年筆が大人の筆記具、というイメージとなったのは
 その使い方もあるでしょうが、
 一番は重厚なデザインのせいではないでしょうか。
 その一つとして、金のペン先があると思います。
 実はこの金は必然的な結果で、
 インクが酸性だったことに理由があります。
 「金は、正14金あれば絶対、酸に負けないから
 他の金属、真鍮とか銅を使うと、
 酸に負けて、ペンが折れたり割れたりするのだとか。

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ウェブ進化論−本当の大変化はこれから始まる  10年先のwebは

2006/07/15 06:53
ウェブ進化論
 感想☆☆☆ 梅田望夫 筑摩書房
 将来を含めたウェブの進化や
 Webでおきている出来事をまとめて紹介しています。
 新書ではベストセラーになるだけあって、
 米国のネットを取り巻く状況や
 ブログなどに見られる「不特定多数無限大」の情報の問題など
 コンパクトにまとめたいい新書でした。
 今後の方向性についてもシンプルにまとめていて、
 とても参考になります。

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 ★次の10年は
 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる内容ですが、この本の大前提は、
 「インターネット」「チープ革命」「オープンソース」
 が「次の一〇年への三大潮流」である、ということ。
 チープ革命とは、Web関係の機器の値段が
 どんどん安くなることで、
 ネットビデオもパソコン1台でできるようになってしまった
 ことはいい例でしょう。
 で、この三大潮流に乗って、
 「第一法則:神の視点からの世界理解
  第二法則:ネット上に作った人間の分身が
       カネを稼いでくれる新しい経済圏 
  第三法則:(≒無限大)×(≒ゼロ)=something 
       あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積」

 という三大法則がおきるそうです。
 第一法則の例としてはグーグルが、
 そして、第二法則はアフィリエイトやネット店舗
 第三法則は、ロングテールの法則のような展開です。

 ★グーグルがすごい
 こうして、不特定多数の人がいろんな情報を発信できるようになった時、
 「総表現時代
  =チープ革命×検索エンジン×自動秩序形成システム

 ということが考えられるとか。
 つまり、情報を探すための検索エンジンなどが重要になるんですが、
 新聞などのメディアの仕事が検索エンジンになってしまうんですね。
 しかも、グーグルはここのパソコンではなくて、
 全てをネット上の情報として、ネットの「あちら側」で
 情報を統制する、ということを始めているようです。
 グーグルのビジョンには
 「「言語を意識せずにインターネットを使えるようにする」
  というゴールが明記」されているとか。
 すべての情報をネット上に吸い上げて、
 その情報を機械的に秩序立てて探し出す、という構想をもった
 会社がグーグルという印象を持ちましたが、
 グーグルすごすぎます。

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イシガメの里 動物好きの男の子用の課題図書かな

2006/07/14 06:42
イシガメの里
 感想☆☆☆☆ 松久保 晃作 小峰書店
 読書感想文課題図書。
 結局、小学校中学年の部、
 つまり3、4年生の課題図書、4冊全部読みました。
 「イシガメの里」は唯一、理系?の本といいましょうか。
 4冊の中では、薄いほうでしかも写真が多め。
 本が苦手な理科好きの男の子を意識したようです。

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 ★身近なカメだけど
 イシガメの里簡単な内容は
 動物カメラマンの著者が故郷の淡路島で、
 子供の頃から身近だったイシガメと出会い、
 1年間かけて、イシガメの暮らしを追いかける、
 という展開です。
 イシガメは国内に広く住んでいるので、
 あまり珍しい感じがしませんでしたが、
 実は「日本だけにいるカメ」だとか。
 世界的には珍しいカメなんですね。
 カミツキガメという危険な外国産カメが
 公園などで見つかって、ニュースになっていますが、
 本当はイシガメのほうが、
 世界的には珍しいのかもしれませんね。

 ★読書感想文には
 半ば義務的に読んだ「イシガメの里」ですが、
 理系向き、ということでちょっと評価が難しいところ。
 小学校中学年向けの課題図書を4冊とも比較すると、
 読みやすさでは、
 ダニエルのふしぎな絵>イシガメの里>ロボママわたしたちの帽子
 でしょう。ページの多さとか、文字の量、
 また、ストーリーのつながりなどを考えると、ここは変わらない気がします。
 逆に、感想文の書きやすさ、つまり、テーマの捕まえやすさ、とか
 子供が感じやすい内容、ということになると、
 ロボママ>イシガメ>帽子>ダニエル
 でしょうか?
 イシガメはカメが身近な子供と、そうではない子供で
 どうも読みやすさが変わりそうです。
 大人の方には、ダニエルをぜひオススメします。

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涼宮ハルヒの憂鬱  萌え系好きの心をつかむ展開

2006/07/13 18:05
涼宮ハルヒの憂鬱
 感想☆☆☆☆ 谷川流 角川書店
 「涼宮ハルヒ」シリーズを最近、よく耳にしていたので、
 気になっていましたが、初めて1冊読みました。
 シリーズ第1巻の「涼宮ハルヒの憂鬱」ですが、
 実際に読んでみると、
 萌え系好きな人へのサービスが徹底しています。
 これは受けるわけだなあ、とつくづく思いました。

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 ★飛びまくるストーリー
 涼宮ハルヒの憂鬱ネタバレしない程度に入り口を紹介すると、
 平凡な県立高校に進学した僕、キョン。
 後ろの席は美少女だけど、
 不思議な現象にあこがれる変人・涼宮ハルヒ。
 そして、ハルヒの新サークルつくりに巻き込まれて、
 文学少女の長門有希、
 萌え系の美少女、朝比奈みくる
 そしてなぞの転校生、古泉がそろったのだけど…
 という展開です。
 テレビアニメを一度見たんですが、
 よくつながらなかったところがよく分かりました。
 ぶっ飛んだ展開なので、
 まず本を読んでから、をお勧めします。
 
 ★涼宮ハルヒは
 個性的な美少女、というよくある設定なんですが、
 この設定をもう一度ひっくり返したところが特徴でしょうか?
 萌え系学園ストーリーと想像を絶するSF世界が
 うまい具合に出会えた作品だと思います。
 さらに、ビジュアルの部分は楽しめるように、
 原作自体とても細心の注意が払われているようです。
 あまり必然性もないままに、
 朝比奈さんがバニーを無理やり着せられたり、
 メイドになったりしています。
 着替えシーンもいれる徹底ぶりで、
 ずこい配慮だなあ、と思います。

 ★続編は
 涼宮ハルヒの憂鬱 1 限定版続編が七巻まで出ていることから分かるように、
 「涼宮ハルヒの憂鬱」1巻だけでは
 まだまだ序章にすぎません。
 「涼宮ハルヒの溜息」「涼宮ハルヒの消失」など
 続いています。
 読み続けるべきか、それともアニメに流れるか、
 (DVD「涼宮ハルヒの憂鬱 1 限定版
 早くもでていますから)
 どっちもありの展開ですね。

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アキハバラ@DEEP  小説から映画、ドラマ、DVD、漫画と大展開

2006/07/12 18:05
アキハバラ@DEEP
 感想☆☆☆☆ 石田衣良 文芸春秋
 タイトル「アキハバラ@DEEP」は主人公たちの会社の名前。
 今、最も話題になる小説家石田さんの小説が
 映画になる、ということで原作を読みました。
 読んでから気づいたんですが、もうドラマ化されていて、
 しかも放映中なんですね。漫画も出版されているし。
 アキハバラという最近、話題のスポットで
 石田衣良さんの小説。
 映画やドラマの原作にぴったりの作品だったんですね。

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 ★AI技術をめぐって
 アキハバラ@DEEP言葉の才能を持つが、強いドモリがあるリーダーのページ、
 音楽に強いけれど、時々フリーズしてしまうタイコ、
 そして、デザインが得意な、潔癖症のボックスの3人。
 ネット上で人生相談をしているユイという女性との出会いから、
 美人で格闘技をしているアキラ、
 法律などに詳しい元引きこもりのダルマ、
 そして、天才プログラマーのイズミが加わって、
 会社「アキハバラ@DEEP」を立ち上げる。
 高度な技術によるAI「クルーク」を発明するが…
 「成功はほかのあらゆることと同じように、
 よいことと悪いことを連れてくる

 という感じです。
 アキハバラの雰囲気も伝わってきますが、
 この本の意外な書き手、というのもラストの1つの楽しみかも。
 
 ★個性際立つキャスト
 検索エンジンのグーグルの本などを読んでしまうと、
 根本となるソフトがあまりリアルに感じられない、
 という難点はありますが、
 病気とか奇妙な欠点を取り込んだ
 個性豊かな登場人物は石田さんらしいところ。
 特に、今回はヒロインのアキラがとても魅力的。
 格闘できる美人という、いかにもアキハバラ
 という設定なんですが、一番いきいきしています。
 敵役もしっかりしていますから、
 ちょっと長い本ですが、どんどん楽しめます。

 ★映画などのキャストは
 ドラマ、映画とキャストが気になりますが、
 ドラマでは、ページ 風間俊介 ボックス 生田斗真
 タイコ 星野源 アキラ 小阪由佳 イズム 松嶋初音
 ダルマ 日村勇紀(バナナマン)とジャニーズ多し。
 北村一輝さんがすごい変な演技してますし
 本上まなみさんも出ています。
 DVDを秋に出すことも決まっているんですね。
 番組見ましたが、原作よりもだいぶコミカルです。
 それに対して、まだ撮影中の映画では
 ページ 成宮寛貴 ボックス 忍成修吾 タイコ 荒川良々
 アキラ 山田優 イズム 三浦春馬で5人が紹介されていました。
 佐々木蔵之介さんもでるそうですが、
 個人的には、映画の山田優さん扮するアキラが
 どんな風になるのか、期待しています。
 (追記 2006/8/19)
 博多華丸さんも一瞬出るとか。
 どこなのか、気になります。

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プライスコレクション若冲と江戸絵画展 伊藤若冲のよさと難しさが分かる

2006/07/11 18:28
プライスコレクション若冲と江戸絵画展
 感想☆☆☆ 国立東京博物館
 また番外ですが、
 江戸時代の画家、伊藤若冲の作品や
 長沢芦雪、丸山応挙、曽我蕭白ら江戸時代に京都で主に活躍した
 画家達の作品を集めたプライスコレクション「若冲と江戸絵画展」。
 ようやく東京・上野の東京国立博物館に行ってきました。
 10時すぎに着いたのですが、
 けっこう空いていてゆっくり見ることができました。
 展覧会のブログも充実していて
 携帯電話の壁紙が割引してもらえたり、
 絵葉書の予想でプレゼント(URL(http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/20060705/p1))
 とかいろいろ楽しめます。
 ちなみに私は1位 No.1 紫陽花双鶏図
 2位 No.12 鳥獣花木図屏風 と予想しました。

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 ★若冲の絵は
 若冲の絵は第3章「エキセントリック」と、
 3番目のコーナーにまとまって展示されていました。
 ユーモラスでメリハリが利いた濃淡の花鳥人物図屏風
 (個人的には、グレぎみの鴛鴦がいいです。)
 軽妙な筆遣いで鶴を描いた屏風、鶴図屏風。
 (これもユーモラス。軽い筆がいいです)
 そして、問題作であり、桝目書きが有名な
 「鳥獣花木図屏風」がありました。
 一番奥にありますが、遠目からも強烈な色で、
 プライスさんがこのデザインのタイルで
 バスルームを作った気持ちが分かるような気がしました。
 その後は、
 旭日雄鶏図、紫陽花双鶏図と
 若冲らしい精密な執拗な筆遣いを鑑賞できます。
 とくに紫陽花はこの展覧会の一番のお勧めですね。
 
 追記(2006/8/11)
 プライスコレクションの愛蔵版
 「ザ・プライス・コレクション」がでましたね。
 ザ・プライス・コレクション
 とても手が出ませんが、
 誰か読んだ人、感想教えてくださいませ。

 ★さて本物は?
 以前紹介した「もっと知りたい伊藤若冲」で示された
 若冲の真贋問題もよく実感できました。
 「竹梅双鶴図」という2羽の鶴を描いた作品と、
 「群鶴図」という、たくさんの鶴の作品が並んでいます。
 現物で見比べると、
 群鶴図の鶴は色の濃淡や筆の細かさなどが
 明らかに雑でした。
 そして、花鳥人物図屏風も、桝目の色や筆遣いが不安定です。
 写真や、遠くから見ると、とても鮮やかでふしぎな絵なんですが、
 近くでじっくり見ると贋物という説もまた分かる気が…。
 これだけ作品の質が不安定だと、
 若冲が、真贋を疑われる訳だと思いました。
 とはいいつつ、
 この「花鳥人物図屏風」のルービック・キューブ
 買ってしまいました。
 でも、崩してしまうと、元に戻せない気もして悩みます。
 そのほかの部屋では、最後の部屋が照明の工夫が素敵。
 屏風や掛け軸が楽しく見ることができました。

 
 
 ★皇居に行って確認
 と、消化不良気味の若冲でしたので、
 皇居の中の三の丸尚蔵館へ。
 伊藤若冲と言えば、やっぱりここですね。
 気合十分の群鶏図がありまして、
 紫陽花双鶏図はやっぱり若冲よね
 と自信がもてました。

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奇跡の風水マーケティング アーロンチェアの運気を上げる?

2006/07/11 06:21
奇跡の風水マーケティング
 感想☆☆☆ 山下 剛 インデックス・コミュニケーションズ
 味もサービスも特別なことはないのに、
 なぜか繁盛している店。
 実は風水的に正しい店なのかもしれません、
 この本の説明によれば。
 「奇跡の風水」というタイトルからして
 ちょっとトンデモ本かも知れませんが、
 読んでみると、けっこう楽しい本でした。

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 ★風水テクニックのあれこれ
 奇跡の風水マーケティング主な内容は、
 風水の基本的な考え方と、
 お客が入る店になるための風水の説明です。
 具体的な指摘が参考になります。
 例えば、「困ったときは○(マル)の力を借りる」。
 ○い窓などが効果的だとか。
 写真でも分かりますが、
 この本の表紙も○でデザインしています。
 また、ドアノブなどメタルも大切
 「光るべきところが光っているビルを選べば商売繁盛
 と紹介しています。
 ヨーロッパでは、ドアノブなどをピカピカにしているそうで、
 これは風水的には正しいことだそうです。
 身の回りをきれいにすることは風水的に正しいようです。
 
 ★アーロンチェアの欠点は
 オフィス・チェアで定番のアーロンチェアも登場します。
 腰痛にもならないし、デザインもいいし、
 と定評のアーロン・チェアですが、
 風水的にはある欠陥があるそうです。
 それは、アーロンチェアの特徴であるメッシュ。
 網状の背もたれは背中から気が抜ける、ということで
 風水的にはあまりよくないのだとか。
 この漏れをふさぐためにしているのが
 「背もたれのすぐ後ろに壁を持ってくればいい」。
 これで快適なアーロンチェア生活ができるかもしれません。
 
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わたしたちの帽子 不思議な建物でみつかる帽子は 課題図書三度

2006/07/10 07:28
わたしたちの帽子
 感想☆☆☆ 高楼 方子 フレーベル館
 今年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書。
 小学校中学年の部、つまり3、4年生向けです。
 「ダニエルのふしぎな絵
 「ロボママ」(リンク先はどちらも前に書いた紹介です。)
 と読んできましたが、
 一番、文字数が多く、読むのが大変な本かも。
 でも、読んでいくと、意外な感想を持ちました。

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 ★不思議なビルと帽子
 わたしたちの帽子ネタバレしない程度にあらすじを紹介すると、
 春休みに不思議な古ぼけたビルで暮らすことになったサキ。
 いろいろビルを回っていると、不思議なところがあって、
 いろいろな切れで作った帽子をかぶった少女、育と出会います。
 そして、育とビルを回ると、なにか時代が違うような…
 という展開です。
 5年生になる直前の春休み、という設定だから、
 ちょっと長めでむずかしめ、という本なのでしょうか?
 出久根 育さんのほのぼのした絵が
 ぴったりとあっています。

 ★読書感想文は…
 それで感想なんですが、
 実は読書感想文の書きやすさは、
 文字数とか読みにくさと関係ないんじゃないか、
 ということ。
 「わたしたちの帽子」は本当の児童文学、
 という感じで、けっこう書きやすいかもしれません。
 出しているのもフレーベル館だし。
 今度、映画化される「ゲド戦記」のように、
 児童文学のような思想書ではありませんから。
 (ちなみに今の子なら、「ロボママ」はもっと書きやすいはず。)
 ちょっと不思議なところが混じっている話ですが、
 このような話はわりに定番の展開だった気がします。
 一番大変なのはやはり「ダニエルのふしぎな絵」では?
 これは深いですよ、けっこう。
 よく言われる、「大人の絵本」のような気がします。
 読書感想文書きやすさランキング?としては
 ロボママ>わたしたちの帽子>ダニエル
 としてしまってはいいのではないか、と思います。
 
 ★課題図書は…
 と、読んできた課題図書で、小学校中学年の部は
 「イシガメの里」を残すだけ。
 動物カメラマンがイシガメの写真を撮る、
 というような話らしいですが、どうも興味が…。
 どうしようかなあ。
 4冊のうち、3冊まで紹介すると、
 取りこぼしが気になるような感じでして。
 ランキングも中途半端だし、と気になります。

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おいしさのつくり方 永田農法の家庭菜園体験記

2006/07/09 07:33
おいしさのつくり方
 感想☆☆☆☆☆ 諏訪雄一 小学館
 「ほぼ日刊イトイ新聞」で糸井さんが
 永田農法を紹介して、DVDを販売しています。
 「だれでもつくれる永田野菜」コンプリートで
 (32970円もしますが…)
 教科書のように入っているのが、
 この「おいしさのつくり方」。(1,680円です)
 永田農法の紹介の本はいろいろありますが、
 これは教科書になるだけあって、一番親切かも。

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 ★素人の人が体験を書いてます
 おいしさのつくり方―永田農法を家庭菜園で本の内容は
 永田農法の具体的な方法の紹介と、
 著者である著者の体験記が中心です。
 永田農法の紹介の本は、
 永田照喜治さん本人か、農業ライター、糸井さんらが
 書いている本でしたが、紹介は簡素なもの。
 (すでに紹介しているのは
 「永田農法 おいしさの育て方
 「つくって食べよう おいしい野菜
 「永田農法「極上トマト」をベランダで作る
 記事にリンクしています)
 でも、この本は農業を趣味で始めた
 NHKのディレクターが、
 自分で借りた畑で永田農法を実践しています。
 4冊を比べてみると、最後に出たこの本が
 今までで一番、永田農法が分かるようです。
 ちょっと大きな畑ですが、いろんな永田農法を試されています。
 紹介している野菜たちは
 春野菜がタマネギ・ヒラマメ・キヌサヤ、スナックエンドウ
 ジャガイモ・キャベツ・レタス・イチゴ。
 夏野菜がトマト・キュウリ・ピーマン、トウガラシ・ナス
 インゲン・オクラ・トウモロコシ・ヘチマ・バジル
 スイカ・カボチャ・モモ・ズッキーニ・エダマメ
 秋野菜がサトイモ・サツマイモ・ピーナッツ・ワケギ
 ニンジン・コカブ・ショウガ・コメ
 冬野菜がダイコン・コマツナ、ミズナ・タカナ
 シュンギク・ラデッシュ・ブロッコリー、カリフラワー
 そしてホウレンソウの40種類。
 全部育てたことがあるようで、すごい畑です。

 ★永田農法の別方法も
 液肥だけで育てる永田農法ですが、
 薄めの液肥を週に1回程度与えるのが基本。
 でも、別の方法も種類によってあるんですね。
 「畝を立てたら、真ん中に深さ20cmほどの溝を掘る。
 そこになんと原液のままの液肥を、ドボドボと流していく

 というのも、ソラマメとか、一部の野菜ではできるよう。
 液肥がなかなかあげられないような
 水道のない畑で試してみるといいかも。


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永田農法 おいしさの育て方 食は土にあり―永田農法の原点 永田農法「極上トマト」をベランダで作る 農薬に頼らない家庭菜園 コンパニオンプランツ 糸井重里の つくって食べようおいしい野菜
by G-Tools
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遮断 沖縄戦をさまよう逃亡兵

2006/07/08 19:43
遮断
 感想☆☆☆ 古処誠二 新潮社
 2006年上半期の直木賞候補になった作品のうち、
 最初に手に入ったのがこの「遮断」。
 昭和二十年、沖縄戦を舞台にした戦争小説です。
 久々に戦争小説を読みましたが、
 しかも、沖縄住民の視点から沖縄島陸戦を描いています。
 古処で「こどころ」と読むんですね。

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 ★米軍に向かって…
 遮断ネタバレしない程度に粗筋を紹介すると、
 南下する米軍に席巻されつつある昭和20年の沖縄。
 沖縄の農民で、今は逃亡兵の佐敷真市は、
 幼馴染でともに従軍した普久原清武の妻チヨと、
 1度は見捨てたチヨの幼子を探しに、故郷の村へと
 戦火の中、北上する…という内容です。
 道連れになる片手片足の少尉との関係や
 ともに戦闘に望んだ清武との秘密を伏線に、
 老人ホームにいる佐敷が回想する、という構成で、
 節目節目に、現在の佐敷に宛てられた手紙が
 織り交ぜられて、アクセントになっています。
 回想文学の手練れ、カズオ・イシグロの傑作
 「わたしを忘れないで」(リンク先は以前の紹介です)
 を読んだ後なので、
 回想の書き方がかなり気になりました。
 「遮断」はかなり普通の書き方ですね。

 ★少尉がいい
 戦火の中、米軍に向かって進む
 という異常さの説明が弱い印象を受けましたが、
 それを補っているのが、
 本当のキーマン、瀕死の少尉の人物像です。
 後半に、少尉が自嘲気味に語ります。
 「富士山も良いところはある。 
 あの山は下界を美しく見せるのだ。
 人の芥(あくた)に満ちた下界をだ。

 と。沖縄戦の中で、なぜ富士山が?
 と思うでしょうが、けっこう含みがあるセリフです。

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椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる! キャノンの会社経営を紹介

2006/07/08 09:44
椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!
 感想☆☆☆☆ 酒巻久 祥伝社
 会社経営の見直し、となると、
 トヨタがいろいろと注目されていましたが、
 この本では、キャノンのやり方を紹介しています。
 経団連の会長がトヨタからキャノンに代わり、
 キャノン方式が注目されているのでしょうか?
 確かに、デジカメ、プリンタなどに進出した
 キャノンが成功した経営戦略は
 注目されるべき点なのでしょう。
 キャノン経営の考え方がいろいろなところから
 伝わってくるような本です。

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 ★まず収益性を考えた
 椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!著者はキャノン出身で、
 キャノン子会社のキャノン電子に行き、
 経営を立て直したそうです。
 立て直し方がユニークで、
 売上高はあまり変わらないけれど、
 収益性を高めて、企業を立て直したのです。
 「世界のトップレベルの高収益企業になろう
  そのためにすべてを半分にしよう

 というスタンスで、社内のムダを削っていった、とか。
 そのムダの象徴としてあったのが、
 「椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる」というタイトル。
 椅子は無駄な会議や遅い作業、
 パソコンは隠れて行っている遊びや私用、のことだったんです。

 ★自主性をまず大事に
 さらに、収益性を高めるために、
 人材を見抜くために、着任後1年は社員を観察する、とか、
 儲かっていない会社には規律がない、とか、
 具体的に指摘しています。
 親会社から子会社に天下り?する人には
 とても勉強になりそうで、お勧めの本です。
 でも、最終的には、
 「自主性は何にも優る成長のエンジンなのだ
 と、社員のやる気をどう出させるか、に尽きるようです。

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ロボママ 課題図書の読書感想文におすすめ

2006/07/07 06:38
ロボママ
 感想☆☆☆☆ エミリー スミス  文研出版
 ロボットのママだから、ロボママです。
 青少年読書感想文全国コンクールの
 2006年の小学生中学年の部の課題図書の1冊です。
 先日、紹介した「ダニエルのふしぎな絵」より
 文字数は多く、本当の本になっています。
 日本のドラえもんのようなイメージですが、
 けっこうどたばたのおかしみがいい感じです。

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 ★本当のママは家事が嫌い
 ロボママネタバレしない程度に粗筋を紹介すると、
 主人公ジェイムズのママは、
 頭がよくて会社では活躍するけど、
 家事はからっきしダメ。
 ある日、ママの家事のダメぶりに怒ったジェイムズ
 との口げんかでママが思いついたのがロボママ。
 家事は完璧なロボママだけど、
 ロボットならではの問題点もあって…
 という展開です。
 ママのダメぶりは強烈で、ここも笑えます。
 「母親になるための実技テストなんてものがあるとしたら、
 うちの母さんは合格しないと思う

 と息子のジェイムズに言われていますから。

 ★生身のジェイムズ!
 一方、ロボママもけっこうおかしいです。
 ジェイムズの初対面のあいさつでは、
 「こんにちわ、生身のジェイムズ
 とロボットらしくきます。
 もちろん、ジェイムズは「生身」なんて嫌いなんで、
 やめてもらおうとすると、
 もっとおかしなことに。
 ここはクスッとしてしまいます。
 全体としては、「やっぱり本物のママが…」
 といったよくある結論でもなく、
 ちょっとひねりがあるのが課題図書らしい感じ。
 また、ドラえもんと家族構成が違うことも、
 こういうラストになるのでしょうか。
 でも、読書感想文を書くには、
 「ダニエルのふしぎな絵」よりも
 「ロボママ」のほうがずっと簡単そうでした。

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無農薬キッチンガーデン 8月末から秋野菜の無農薬栽培

2006/07/06 22:10
無農薬キッチンガーデン
 ―コンテナで簡単にできるスプラウトから伝統野菜栽培まで

 感想☆☆☆☆ 和田直久 学陽書房
 家で野菜を育てるメリットの1つが、
 無農薬野菜を育てられることだと思います。
 (永田農法とか実験?も楽しいですが)
 「無農薬キッチンガーデン」では、
 農薬を使わないための工夫をまとめて紹介し、
 その後、それぞれの野菜の育て方を紹介しています。

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 ★まずは野菜の種類から
 無農薬キッチンガーデン―コンテナで簡単にできるスプラウトから伝統野菜栽培まで一番の内容は、
 初心者が育てる無農薬野菜が、
 害虫や病気に負けないようにするにはどうすればいいか。
 以前、紹介した
 「農薬に頼らない家庭菜園 コンパニオンプランツ
 のように、植物の組み合わせという方法もありますが、
 この本では、
 「虫がつかない、または、つきにくい種類を選ぶ
 「虫が出ないときに栽培する
 「病気にかかりにくい元気な野菜に育てる
 の3つが大きなポイントです。
 (コンパニオンプランツも少しは紹介しています)
 その上「小粒の赤玉土で育てる」などの、
 いつまでも土が硬くならないような育て方を
 提案しています。
 これなら、プランターでベランダ栽培でも大丈夫かも。
 ちなみに、この場合も、
 「コンテナが大きいほど水やりなどの手間がはぶけ、
 野菜を栽培しやすいでしょう
」とか。

 ★伝統野菜の紹介も…
 育て方のほかにも、
 レシピや伝統野菜などの紹介もあり、
 金時ニンジンなど楽しい野菜を写真で紹介。
 伝統野菜や外国野菜を扱っているネット店も
 きちんと載っていて、
 この本からすぐ野菜育てができそうです。
 「虫が出ない時期」とはつまり、秋から冬の時期。
 となると、実は8月末がガーデニング開始時期なんです。
 今からの準備で間に合いますね。

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永田町の回転ずしはなぜ二度回らないのか  名言で綴る戦後政治史

2006/07/05 20:11
永田町の回転ずしはなぜ二度回らないのか なぜそこにあるのか
 感想☆☆☆☆ 伊藤惇夫 小学館
 新進党、民主党と新政党ができる時の裏方をしきった
 伊藤さんが政治家の名言・失言?をまとめた本です。
 「永田町の回転ずしは一度取り損なったら二度と回ってこない
 という言葉からのタイトルです。
 石橋湛山、吉田茂、岸信介から小泉純一郎までの歴代首相から
 三木武吉、大野伴睦などの自由民主党結党時の大物と
 対抗した浅沼稲次郎、土井たか子など野党の人々、
 そして、菅直人、小沢一郎といった現代の党首ら
 一〇〇の言葉をそれぞれ見開き2ページでまとめられています。

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 ★情報が大事
 永田町の回転ずしはなぜ二度回らないのか―政治家の名言・格言に学ぶ最強の処世術1005章で構成していますが、
 「こうすれば人の心がつかめる」という人心掌握術、
 「権力闘争を勝ち抜く秘訣」という闘争、
 「本音で語ればうまくいく」という失言に近い真実、
 「最後にものを言うのは情報力」という世論や記者との関係
 「まわりが納得するビジョンを示せ」という国家百年の計
 という具合に分かれています。
 政治の裏話も満載で、政治や選挙が好きな人は楽しめますし、
 この本を読めば、新聞の政治記事も少しは楽しくなりそうです。

 ★ポン
 「サルは木から落ちてもサルだが、政治家は選挙に落ちたらただの人
 という大野伴睦の言葉など、古典的な名言など実に充実しています。
 主だったものを拾うだけでも、
 「人を喰っているからだ」(吉田茂)
 「声なき声を聴け」(岸信介)
 「天の声にも、たまには変な声がある」(福田赳夫)
 「凡人・軍人・変人」(田中真紀子)
 などなど。でも、一番面白かったのは「ポン
 「言語明瞭なれども意味不明」と言われ、
 感情もめったに表さなかった竹下登元首相。
 「竹下が誰かに対して「ポン」と表現した場合、
 それは最大の悪口を意味していたのである

 とか。
 権力を握るために、感情を押し殺して生きていく。
 そういう生き方の知恵として、
 「本音を覚られずに、感情を表現する自分だけの言葉
 を作ったのでは、と伊藤さんは指摘しています。
 ある意味で、極限状態の言葉なんですね、ポン。

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神国日本 神と仏はどっちが偉いか

2006/07/05 06:45
神国日本
 感想☆☆☆ 佐藤弘夫 筑摩書房
 神様の新書も3冊目になりました。
 北朝鮮がミサイル発射というぶっそうな時に
 「神国」という意味を考える本になりました。
 この本は「神国」という考えがいつ生まれて、
 どう変化してきたのか、ということに
 学術的にまじめに取り組んでいます。
 日本書紀の「神国」という考え方に対して、
 平安時代、院政に現れた仏教の影響下の
 「神国」思想を細かく解説しています。

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 ★仏教との関係は
 神国日本まず指摘するのは、
 日本に入ってきた仏教の影響です。
 仏教ではまず天竺、中国そして日本という位置関係で、
 日本は端にある“辺土”の国になります。
 しかも平安時代は仏の教えが廃れるといわれた、
 「末法」の時代。
 このため、仏は仏の形ではなくて、
 日本独特の神様の姿で現れる
 本地垂迹説という思想が生まれていたそうです。
 そして、この仏が釈迦ではなく(天竺はこのタイプです)
 神で現れることから「神国」という位置づけだったそうです。
 「末法辺土思想と本地垂迹説を前提とした
 日本の特殊性の主張」

 が中世の「神国」思想の特徴で、
 天竺、中国、日本という三国の
 国際的な関係をふまえた思想でした。
 ここには、日本の優位を主張する、ということはなく、
 あくまで特殊さを主張しているだけ。

 ★近世の変化で…
 同じことは天皇を支える状況でも同じ。
 中世の天皇は神仏の支えがあってこその存在で、
 寺社に対して強くいえない構造だったとか。
 しかも、平安時代は有力な寺社と天皇家が
 財政的な基盤である荘園を奪い合うような時代になってます。
 「神」も「天皇」も、明治時代のイメージとかなり違うんです。
 それが、近世になって、武士が宗教を押さえつけたため、
 寺社の重要性が下がっていました。
 これが幕末の尊王思想などで、
 神仏よりも偉い、とされた遠因になるそうです。

 ★天神様も…
 中世では、仏教と神様の関係も
 今とはだいぶ違います。
 梵天や帝釈天の下に神がいる、という関係だったそうですから、
 神のイメージがけっこう低いんです。
 「菅原道真の霊(天神)が宮廷に対して
 復讐を遂げようとするにあたって、
 自分はすでに梵天・帝釈
の許可をえている」
 と「北野天神縁起」にあるそうです。
 梵天・帝釈>天神>朝廷
 という関係が見えまして、
 けっこう、びっくりしました。

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ダニエルのふしぎな絵 とても楽しい課題図書

2006/07/04 07:27
ダニエルのふしぎな絵
 感想☆☆☆☆☆ ほるぷ出版 バーバラ・マクリントック 福本 友美子訳
 夏休みの宿題といえば、まずは読書感想文です。
 青少年読書感想文全国コンクールという
 仰々しい全国コンクールもありましたね。
 で、2006年の小学生中学年の部の課題図書の1冊が
 この「ダニエルのふしぎな絵」という絵本。
 「小学3、4年生向けなのに絵本なんて」
 と思いましたが、中身はかなりおすすめです。

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 ★子供の才能は…
 ダニエルのふしぎな絵ページ数の少なさのあまり、ネタバレ必至で

 簡単な粗筋を紹介すると、

 主人公は、本当にふしぎな絵を描いてしまう少女ダニエル。
 写真家のお父さんと一緒に出かけても、
 お父さんの写真とはまったく違う絵になってしまいます。
 ところが、ある雪の日に、お父さんが病気で倒れてしまい、
 代わりに出かけたダニエルが出会ったのは、
 ある女性画家でした…
 という展開です。
 絵本ですので、ストーリーだけでは魅力半減ですが、
 この絵がとても丁寧で、いい感じです。
 特に、ダニエルが描いている絵が素敵です。
 犬があんなになったり、
 羽の帽子がこんなになったり…
 この絵が、とっても楽しめます。

 ★感想文的には
 清兵衛と瓢箪・小僧の神様と、絵本として読んでもなかなかいい本ですが、
 感想文を書くとなると、
 やっぱり、子供の能力を育てられるか、とか、
 親子の信頼の大切さとかが
 テーマになってしまうのかしら。
 意外と親向けの話で、
 子どもの読書感想文には難しいかもしれません。
 自分の才能を大切にした子どもの本としては
 志賀直哉の「清兵衛と瓢箪」が
 傑作で、おすすめです。
 こちらは瓢箪が楽しみ、という
 とっても個性的な少年が、
 ある瓢箪を見つけて……
 という話でして、
 小学生でも楽しめるはずです。
 けっこう笑える場面もありますし。

 ★恐るべし課題図書
 オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見えると、なかなか楽しかった課題図書でしたが、
 高校生の課題図書にはなんと、
 サッカーの日本代表監督に決まったオシム監督の本、
 「オシムの言葉:フィールドの向こうに人生が見える
 が入っているではありませんか。
 最近、ベストセラーになっているこの本を
 課題図書にするなんて…。
 すごく先が読める人
 あるいはかなりのサッカー通の人が
 課題図書を選んでいるんでしょうか?
 課題図書、恐るべし、です。

 追記(2006/7/7)
 同じ小学生中学年、つまり3、4年生の
 課題図書「ロボママ
 の感想も書きましたので、こちらもどうぞ。
 感想文は「ロボママ」の方が
 簡単に書けそうでした。

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番外 芥川賞・直木賞の候補出ましたね 伊坂さんがいいなあ

2006/07/03 19:38
芥川賞・直木賞の候補
 番外ですが、
 芥川賞と直木賞の候補作品が発表になりました。
 最近、自分で楽しい小説が見つけられなくなってきて、
 受賞作を読んでは、いい人を探す、
 ようになってきてまして…。
 外国文学を読む率が下がるわけです。
 結果は13日の夜に発表になるようですが、
 今回は割りに大人の展開になりそうな気がします。
 
 ★まず直木賞は
 まずは直木賞の候補ですが、
 今は芥川賞作家よりも面白い人が集まっている気がします。
 本も何冊か書いている人たちばかりなので、
 すでに選ばれている作家だからでしょうか。
 伊坂幸太郎さんの「砂漠
 宇月原晴明さんの「安徳天皇漂海記
 古処誠二さんの「遮断
 追記(2006/7/8) 
 「遮断」読みましたので、紹介しました。

 貫井徳郎さんの「愚行録
 三浦しをんさんの「まほろ駅前多田便利軒
 森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート
 砂漠 安徳天皇漂海記 遮断 愚行録 まほろ駅前多田便利軒 風に舞いあがるビニールシート
 の6作品でした。
 これまでに活躍している人が多いんですが、
 活躍している人が多いんですが、
 個人的には、伊坂さんかなあ、と思っています。
 
 ★芥川賞は
 あと、芥川賞候補は
 伊藤たかみさんの「八月の路上に捨てる」
 鹿島田真希さんの「ナンバーワン・コンストラクション」
 島本理生さんの「大きな熊が来る前に、おやすみ。」
 中原昌也さんの「点滅……」
 本谷有希子さんの「生きてるだけで、愛。」
 の5作品でした。 
 最近、あまり芥川賞は読んでないので、
 だれもわかりません…。

 追記(2006/7/13)
 直木賞きまりましたね。
 三浦しをんさんの「まほろ駅前多田便利軒
 森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート
 とどちらも軽い感じの作品でした。
 どうもどんどん軽い感じの本が中心になってきたような。
 
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