|
2006/06/23 18:31
わたしを離さないで
感想☆☆☆☆☆ カズオ・イシグロ 早川書房
イギリスで、今、一番好きな作家、
カズオ・イシグロの最新作でした。
表題の「わたしを離さないで」は、
物語で重要な意味を持つ流行歌「わたしを離さないで」
からなんですね。
装丁がカセットテープというのもまた、
この歌を主人公達が耳にしたのがテープだからなんです。
人気blogランキング ご協力お願いします!
★少しずつ分かる怖さ
ネタバレしない程度、簡単な粗筋は、
キャシー・Hという主人公は、
提供者を支える介護者という仕事をしています。
ヘールシャムというある特殊な施設出身なのですが、
この施設の暮らしと知り合った友達との
不思議で悲しい暮らしが告白されていくのです…
カズオ・イシグロの特徴である
「曖昧で、時として裏切る記憶」が今回も
大きな要素になっています。
「ずいぶん昔のことで、多少は記憶違いもあるかもしれません」
と回想が始まるのですから。
★間違いなく傑作でしょう
巻末の解説は、柴田元幸さんなんですが、
「現時点でのイシグロの最高傑作」と薦めています。
記憶がほぐれるように、少しずつ回りから、
でも、大切なところは最後まで引き伸ばされるような
緻密な構成は、「日の名残り」以上だと思います。
あいまいなまま、すこしずつ濃くなってくる怖さと悲しさに
せきたてられるように読んでしまう本でした。
カズオ・イシグロが好きな人なら、
絶対におすすめできる本でした。
また、ある漫画を思いましたが、
紹介すると、ネタバレになりそうなので、
最後の最後に書きますね。
『わたしを離さないで』のブログを
読んでいただきありがとうございました!
読み終わったら、ポチッとクリックを!
←←ブログ継続の励みになります!!
★ネタバレかも
清水 玲子さんの、傑作漫画「輝夜姫」がSFに逃げずに
人生としてさらに純度を増したような気がしました。
|