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help リーダーに追加 RSS 悪人

<<   作成日時 : 2007/09/16 21:45   >>

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悪人
 感想☆☆☆☆ 吉田修一 朝日新聞社
 久々に読ませる犯罪小説でしたが、
 とにかく章のタイトルが不思議…。
 「彼女は誰に会いたかったのか?」
 「彼は誰に会いたかったのか?」
 「彼女は誰に出会ったのか?」
 「彼は誰に出会ったか?」
 と続いて、
 「私が出会った悪人」という5章です。
 彼女は2人ですし、
 悪人も誰が悪人か、ラストで
 はっきりと出てきます。

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 ★突然変わる展開が
 悪人ネタバレにならない程度に内容を紹介すると、
 福岡と佐賀を結ぶ国道263号にある三瀬峠。
 長崎市内の土木作業員、清水祐一が、
 福岡の保険外交員、石橋佳乃を絞殺した。
 しかし、警察の走査線には、
 石橋が一方的に熱を上げていた大学生しか、
 上がらずにいたのだった。
 一方で、祐一は出会い系サイトで知り合った
 福岡の販売員、馬込光代に乗り込んでいた…
 という展開です。
 淡々と事件が進む中で、
 突然、祐一と光代の出会いがあり、
 ここから急展開で、
 2人の関係を軸にした物語になるんですね。
 実際にあったような内容の事件ですが、
 この後半こそが迫力の源ですね。

 ★書き込まれた世界
 犯罪の構成は最初に示してしまうので、
 とにかく、細部を読ませる小説です。
 祐一を捨てた母親と、育てた祖父母。
 石橋佳乃の両親や、
 鬱屈していた光代などがとまかく細かい。
 登場人物それぞれの視点から
 三人称でつづられていく、神の視点の特性を
 存分に活かした展開ですね。
 しかも、小さな展開もけっこう味があって。
 無愛想なバスの運転手の一言とかが、
 ぐっとする小説でした。

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